荒巻 慶士
- UPDATE
- 2024.11.22
その他
ルールの軽視、倫理の無視
最近驚いたことは、数々の違法行為で起訴された身でありながら、ドナルド・トランプ氏が再度、米大統領に選ばれたことである。日本では、政治資金の問題を抱えた自民党が総選挙で敗北したことに国民の良心の一端が現れたかと思いきや、ここへ来て兵庫県知事選で斎藤元彦氏が当選したので、改めて驚いた。県議会に百条委員会が設置されること自体そうある事態ではなく、その調査状況によればパワーハラスメントの疑いが強いことが明らかであるからだ。
ルールに対する意識の弱まりは危険水域にあるかに見える。ルールを取り巻く職業倫理などは無視に近いか。ルールを守ることは最低線であり、政策はそれを守った上での是非論であろう。権力を持つ者のルール違反を是認すると、その権力行使は手段を選ばないことになり、弱肉強食の世界が現れる。
わが法曹界に目を向けると、金融庁に出向中の裁判官によるインサイダー取引が強制捜査を受けたところであり、元検事の弁護士が準強制性交罪で起訴された。検察は過去には証拠を改ざんするという事件を起こしている。違法を監視する立場の者がルール違反をしているようでは、法の支配もがたがたになる。
いったいだれがルールなど守るのかという事態は困る。常識を常識といえる世の中、子どもに常識を語れる世の中でありたいものである。