荒巻 慶士
- UPDATE
- 2023.09.28
その他
息長く働ける環境を
先ごろ、ふとした拍子に腰を痛め、数日、安静に過ごすはめになった。ベッドで横になりつつ、1週間分の仕事を延期するなど調整し、時々身体の向きを苦労して変えながら、心当たりを考えた。力を入れていたゴルフのスイング改造はどこかで影響したか。
総じて健康と信じる中で思わぬ落とし穴だった。
人手不足に寿命の伸びが相まって、60歳定年? そんなころもあったっけと、振り返るような時代が近づいている。とはいえ、今夏、妙に刺さった「気候沸騰化」の言葉どおり、暑さの堪えるお年頃ではある。
労働相談の現場では、中高年世代の労働災害、私傷病、これにまつわる使用者の安全配慮義務に関する案件が増えているという実感がある。
同じ世代でも、健康状態には個人差が大きく、持病、症状さまざまで、会社ではケースバイケースの判断、対応が必要となる傾向が顕著だ。
社員の側でも、担っていける業務の質と量がどれくらいか、引退のタイミングは? いろいろと迷うことも多いだろう。
年代に限った話ではないが、体調の悪化や体力の低下という局面においても、安全に安心して、息長く働ける環境を作ることが喫緊の課題になっている。政策の後押しも重要であり、社会全体で考え、取り組むことが必要だと思う。