後藤 慎吾
- UPDATE
- 2022.12.23
その他
ラブレター
これまでの人生で1度だけラブレターを書いたことがある。
高校3年の12月のことだった。手紙の相手は小学生のころから恋焦がれた同級生の子で、中学も同じだったが、高校は別だった。手紙に何を書いたのかはよく覚えていないが、当時好きだったビートルズの曲のフレーズを書いた気がする。受け取った方は困惑するだけだろうに。
その手紙を投函してから程なくしてその子から私の家に電話がかかってきた。会ってもいいという。それで近所の公園で会ったのだが、その時の会話で覚えているのは、その子は推薦で進学先の大学が決まっていたので会ってみたと言っていたことぐらいで、それ以外にどのような会話をしたのかはあまり思い出せない。ただ、私が書いた手紙を持ってきていて物凄く恥ずかしかった記憶がある。
その数日後、その子から電話があり、映画に行かないかと誘われたのだが、何故か私は理由をつけて断ってしまった。その後、私から連絡することもなく、それぎりになった。当時の私が何故そのような態度をとったのかはいまだによくわからない。青春期特有の気まぐれによるものなのだろうか。冬が来るたびにこのことを思い出しては自分の未熟で、身勝手な行動を恥じている(相手の子にとっては忘却の彼方のことなのだろうが)。