荒巻 慶士

UPDATE
2022.03.17

その他

つながっている

 この数週間、胸のつかえと心底のおりのようなものを感じて、寝ても起きても気が晴れない。ウクライナ情勢のことだ。

 空気の緩むこの時期に、連日死者の報道がなされ、3.11を控えて原子力発電所への攻撃が伝わる。この100年の歴史の教訓とは何だったのか。憂鬱の念に襲われる。

 

 振り返れば前兆はあった。ロシアに関して言えば、クリミア半島の併合を指摘されるが、例えば、このコラムでも取り上げた香港の非自由化・非民主化をなすすべもなく既成事実化された現実は、有無を言わせぬ隣国への侵攻につながっているのではないか。

 今こそグローバル社会における自由や民主主義の価値を確認し、強い関心をもってこれを守るためのコストを負担する覚悟が必要だろう。

 

 一つの光明は、SNSに見るような個人による現場からの発信や国境を越えた情報の連携である。かつてのように権力が情報を遮断し、民意を操作し切るのは難しくなっている。国を成り立たせている個人は、歴史から戦争の無益と悲惨を十分に学んでいると信じ、つながっていたい。

 

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