後藤 慎吾
- UPDATE
- 2021.04.30
その他
マラソン
私のマンションの前に往復で10キロほどのジョギングコースがある。そのコースは海に面しており、この時期は海風が気持ちいい。私は米国留学時代に初マラソンを経験し、それ以来、走ることが好きになった。
コロナの前はあまりランナーがおらず、このコースを気に入っていたが、コロナ後は、在宅勤務で時間ができたからだろうか、ランナーがとても増えた。コロナが終息したら、マラソン大会はどこも大盛況だろう。
10キロ程度のジョギングだと心地よさのままに終われるのだが、42.195キロのマラソンはそうはいかない。折り返し地点くらいまではまだよいのだが、とりわけ30キロくらいからは、なんで俺はこんなに苦しい思いをしなきゃならないんだろうと悔やみながら走っている。それにもめげずに何とか重い足を引きずって進んでいくと、40キロを超えたあたりから、あと少しでゴールだと希望がふつふつと湧いてきて、それまで私の心を占めていた後悔の念がきれいさっぱり消えていくのだから人間の心理というものは不思議なものだ。
コロナに侵された世界はまだ折り返し地点にも達していないのかもしれないが、いずれゴールにたどり着くときが来るだろう。今は、自らがすべきことを行い、希望をもって、一歩一歩着実に前に進んでいくことだけを考えたい。