後藤 慎吾

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2025.06.17

その他

彼岸過迄 

久しぶりに夏目漱石の「彼岸過迄を読んだ。漱石は、「彼岸過迄に就て彼岸過迄』というのは元日から始めて、彼岸過迄書く予定だから単にそう名づけたまでに過ぎない実は空しい標題である。と述べている。同作品は、明治45年1月2日から4月29日まで朝日新聞で連載された。 

 

お彼岸は、春分日(春分の日)と秋分日(秋分の日)を中日とする前後3日間の合計7日間の期間をいう。明治45年の春分日は3月21日だったそうだが、「彼岸過迄」の連載終了は4月29日であるから、思いのほか筆が進んで想定以上のボリュームになったのであろうか。 

 

ところで、私も今、執筆に取り組んでいる。私がこれまで上梓した書籍はいずれも専門書だったが、今回は一般の方向けの法律入門書だ。原稿の締切りが秋のお彼岸が過ぎた今年の9月末に設定されているので、漱石に敬意を表して、この書籍の標題も「彼岸過迄」にしようかなどと考えている。 

荒巻 慶士

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2025.05.27

その他

爽快な5月はどこへ

 5月は一年のうちで最も好きな月だ。

 連休のころには、爽やかな日が続き、不愉快なこともどこかへ去って忘れているようなことだった。

 

 いつからか(4、5年前か)、この時期に、蒸し暑さがちょいちょい顔をのぞかせ、おかしな風が吹くし、横殴りの雨が降ったり、止んだりする。今から、夏の暑さが思いやられる。(昨年の夏はひどかった。)

 暑い盛りでも、空調なしで眠れる夜があったのだ。

 

 自然科学に知見のある者は、私たちを取り巻く気候は変わったのだと言い切り、この現実を受け入れなければならないという。実感を伴うようになり、その言葉は鋭く刺さる。

 変動の原因については、専門的な分析・研究がすでになされていて、真摯な取り組みが必要であることを思い知らされる。

 

 紛争、戦争の報道に触れない日はないが、国同士がいがみあっている場合ではない。(当事地域に暮らす人たちは、だれも望んでいない。)

 

 

 

 

 

 

後藤 慎吾

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2025.04.28

その他

怒り

トランプ氏が米国大統領に就任して以来、彼の判断や言動に世界が振り回されているが、彼を大統領の座に押し上げたのは、米国の経済的繁栄から取り残された白人労働者の怒りだという分析がある。人間の怒りは、時として世の中を変えるような大きなうねりをもたらすことがある。 

 

他方で、怒りの感情は厄介なものでもあり、それに囚われて行動した場合、問題を引き起こすことが多い。パワーハラスメントやカスタマーハラスメントはその例だ。 

 

かなり昔の話になるが、私自身、怒りの感情から、ひどい暴言を吐いてしまったことがある。その後、その相手に謝罪したが、今でもそのことについて後悔している。その出来事があってから、私は、怒りの感情を捨てようと努力するようになった。 

 

弁護士として仕事をするうえでも、怒りの感情は、冷静な分析や判断を妨げるだけに極めて有害だ。人間なので難しいこともあるが、これからも心の平穏を保つように心がけたい。 

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